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 広島大会は20日、2回戦1試合と3回戦7試合があった。広島商や広陵などの強豪校が大差で勝利し4回戦に進んだ一方、シードの如水館は1点差で高陽東に敗れた。21日は、4球場で3回戦9試合が予定されている。

総合技術・岡村拓哉捕手

 6点を追う八回表。総合技術の岡村拓哉君(3年)が打席に。安打で出塁した一塁上の松岡慶将(けいしょう)君(同)を見た。

 「後ろにつないで点を取る」。2球目。外角へのカーブが高めに抜けてきた。振り抜くと、打球は右翼手の前で跳ねた。松岡君は二塁へ進み、1死一、二塁の好機に。しかし反撃もここまでだった。

 松岡君とは同じ学科で学ぶ。2、3番を打つことが多く、打席に入る前には相手投手のクセを教えてくれる頼れる存在だ。

 昨年7月の西日本豪雨では、広島県三原市本郷地区にある松岡君の自宅が浸水。岡村君は、真っ先に手伝いに駆けつけた。

 豪雨で学校のグラウンドや部室も冠水した。復旧作業のさなかに迎えた昨秋の県大会の初戦に、正捕手として出場。この時の相手も崇徳。しかし5―6と惜敗した。だからこそ、この夏は勝ちたかった。

 12月にグラウンドが使えるようになるまでは、校舎との間のスペースで、肩の弱さを克服するためにネットに向かって送球を繰り返した。

 臨んだ最後の夏。チームは1、2回戦を2ケタ得点で快勝した。だが、この日はエース織田健太郎君(同)が一回から毎回走者を背負う苦しい展開に。岡村君は何度もマウンドへ駆け寄り「気持ちを切り替えて」などと励まし続けた。

 三回途中からは、交代した中立隼君(2年)をリード。四~七回を無失点に抑えたが、八回裏に痛打を浴びサヨナラコールド負けを喫した。

 「中立は、きっと良いピッチャーになりますよ」。後輩の右腕の成長を信じて球場を後にした。(高橋俊成)