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 第101回全国高校野球選手権大阪大会(朝日新聞社、大阪府高校野球連盟主催)は21日、大阪シティ信用金庫スタジアムなど4球場で3、4回戦計8試合があった。近大泉州は大体大浪商に競り勝って4回戦へ。桜塚は夏の大阪大会で初となるタイブレークを延長十三回逆転サヨナラで制し、初芝立命館も延長十一回サヨナラ勝ちでベスト16入りを決めた。22日は4回戦10試合がある。

バント 誰よりも輝いたのに 大体大浪商 本郷祐輔君

 スタンドやベンチからの大きな声援に背中を押され、大体大浪商の主将、本郷祐輔君(3年)が打席に向かった。1点を追う九回裏1死二、三塁。監督のサインはスクイズ。いつもの練習通り、バントを決めればいい。自信があった。

 打ち勝つチームを目指し、打撃練習に時間を割いてきた。同時に、欠かさず行ってきたのがバント練習だ。「どんな場面でも必ず決められるようにしよう」。本郷君が先頭に立ち、練習を重ねてきた。

 「これで、勝てるかもしれない」。そんな思いが頭をよぎった。1球目。頭ほどの高さの直球がきた。スクイズを狙いにいったが、力んで腕が上がらず、球を追い切れない。捕手のミットにボールが収まったときには、すでに三塁走者が飛び出していた。「頼む、帰れ」。願いはむなしく、走者は挟殺に倒れた。審判のアウトジェスチャーを、本郷君はぼうぜんとながめた。

 気持ちを切り替えようとしたが、スクイズ失敗が尾を引いた。落ち着こうとしすぎて消極的になり、見逃し三振。最後の打者となってしまった。

 「同点、逆転のチャンス。そう考えると、体ががちがちになって動きませんでした」と本郷君。「『必ず打てるように』と言ってきた自分が打てなかった。本当に、ふがいない」

 バッテリーを組んできた投手の大堀元暉君(3年)は「あいつが先頭に立って、みんな同じ練習をしてきた。あいつができなかったら、他の誰もできなかった」とかばった。

 四田勝康監督は最後のミーティングで、こんな言葉を贈った。「最後の試合が、最高の試合や。長い人生の一瞬でも、一緒に同じユニホームを着て野球をやってたことを、覚えといてくれな」(山田健悟)