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 (21日、大相撲名古屋場所千秋楽)

 序ノ口の優勝決定戦は、史上初の7戦全勝力士3人によるともえ戦が行われ、鳴戸部屋の元林(23)=本名・元林健治、大阪府出身=が同部屋の同期2人に勝ち、優勝を果たした。

 3人の弟子による決定戦に師匠の鳴戸親方(元大関琴欧洲)は「今朝は稽古場の雰囲気がピリピリしていた。ハラハラドキドキで複雑な思いだった」。花道の奥から勝負を見届けると、「3人ともに持ち味を出してくれた。けがなく終わってくれてよかった」と語った。

 日本相撲協会によると、序ノ口で3人が全勝で優勝決定戦にもつれ込むのは史上初。本割で同部屋同士は対戦しないために起きた珍事だが、6月に部屋開きをしたばかりの鳴戸親方にとっては幸先のいい船出だ。

 元林と優勝を争ったのは、高卒で入門した丸勝(18)=本名・丸山竜也、新潟県出身=と、日体大出身の桜井(22)=本名・桜井浩太郎、茨城県出身。3力士はいずれもアマチュア相撲の経験者で、5月の夏場所で初土俵を踏んだ。

 この日も宿舎から3人そろって場所入りした仲の良い同期だが、勝負になれば別。負けた2人は「悔しいな」と顔を見合わせ、桜井は「やりにくさはなかった。自分の形になって負けた」と肩を落とした。

 欧州出身で初の大関となり、2014年春場所で引退した鳴戸親方は、17年に佐渡ケ嶽屋から独立。仮住まいを経て今年6月に東京都墨田区に部屋を構えたばかりだが、熱心なスカウト活動で弟子を増やしている。5月の新弟子検査では受検した13人のうち6人が鳴戸部屋だった。近大出身の元林は「学生時代に師匠が大学に来てくれて、胸を出してくれた。新しい部屋だったが、自分から行きたいと思った」と話す。

 鳴戸部屋としては初の優勝力士。親方は「それぞれ相撲を磨いていってほしい」と期待を寄せた。(波戸健一)