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(21日、高校野球宮城大会 仙台6―3仙台二)

 九回2死二塁で4点差。あと一人で夏が終わる。仙台二の選手たちは「モリオに回せ!」とベンチで叫んだ。次は3番打者の鈴木杜朗(もりお)君(3年)。1年夏からレギュラーで、この日も2安打と犠飛を決めていた。打席の佐藤活樹君(2年)は深呼吸し、「絶対につなぐ」。フルカウントから左前にはじき返し、1点を返した。

 黙々とバットを振っていた鈴木君は、ゆっくりと打席に入った。球を見極め、2ボール2ストライクからの直球をフルスイング。だがバットは空を切り、試合が終わった。

 小学1年生だった11年前の夏、スタンドから見た兄隆史さんの試合を覚えている。兄がいた仙台二は準々決勝で延長十五回の末に引き分け、再試合を制して4強に進んだ。仙台二はあの夏以来、準決勝に進んだことはない。

 兄に憧れ、兄が果たせなかった仙台育英との対戦を願い、誰よりもバットを振った。この夏、仙台育英と同じブロックに入ったが、対戦はかなわなかった。

 「今度こそ仙台育英と戦いたかった。後輩が回してくれたのに、打てなかった」。涙があふれ、言葉が続かなかった。(大宮慎次朗)