1年生右腕、投げた瞬間「いった!」花咲徳栄4番を三振
高絢実
(21日、高校野球埼玉大会 花咲徳栄9-0秀明英光)
相手は5年連続の甲子園を狙う花咲徳栄。秀明英光の1年生右腕・岩井裕貴君は、3日前に監督から先発を告げられた。「楽しみという気持ちが大きかった」
立ち上がりは緊張から四死球などで走者を出したが、二回まで点を与えなかった。三回の1死一、二塁のピンチでは、昨年からの主力で4番の井上朋也君(2年)から「最大限の力を出した」という直球で空振り三振を奪ってみせた。球が手から離れた瞬間、「いった!」。183センチの長身がマウンド上で大きくほえた。
春の県大会では他の1年生がベンチ入り。自分は入れなかった。それから約3カ月間、周りより多く投げ、遠投も意識的に行い、投球フォームと体をつくった。「人と同じ努力ではダメだと思ったので」
今大会で念願のメンバー入り。しかもこの日は初出場で初先発。降板する四回途中まで、「先輩たちの夏を終わらせたくない」と強い気持ちで投げることができたという。0―9の敗戦に、「実力不足。1年後、2年後に、さらなる高みを目指したい」と語った。
=市営大宮(高絢実)