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(21日、高校野球宮城大会 大船渡4―2盛岡四)

 そのすごみは直球の球速だけにとどまらないということを、大船渡の佐々木朗希(ろうき)(3年)は延長十二回の激戦で示した。

 岩手大会4回戦の盛岡四戦。2―2の十二回無死一塁、4番の佐々木が右打席に入る。2球目の浮いてきた128キロをとらえ、右翼席へ運んだ。「入ってよかった」。その裏、3者三振で締め、春の県大会準優勝の盛岡四を退けた。

 非凡な打力だけではない。投手としての引き出しの多さが実力校との戦いを支えた。

 3回戦で155キロを計測した直球は、この日も走った。八回2死、3番岸田への3球目のボール球は160キロとスコアボードに表示された。

 ただ、4月に高校生史上最速となる163キロをマークした超高校級の右腕は、岩手では追われる存在。球速170キロに設定した打撃マシンで準備を重ねてきた盛岡四の打者に直球を当てられ、時に安打にされた。2―0の九回に浴びた同点適時打も159キロをはじき返されてのものだった。

 そんな相手すら翻弄(ほんろう)したのが、球速140キロ前後で落ちるフォークだ。八回、160キロの直後のフォークで空振り三振に倒れた岸田は「視界から消えた」と真顔で言った。奪三振は計21。そのうち14個は変化球を決め球に奪った。

 「負けたら終わりなのでプレッシャーはあった。そのなかで勝ちきれたのはよかった」。佐々木は勝って涙を浮かべた。

 この日の投球数は194に達した。連戦となる22日の準々決勝の相手はシード校の久慈。難しい試合に今度はどう挑むか。(竹田竜世)