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 第101回全国高校野球選手権高知大会の第4日は7月21日、高知市の県立春野球場で2回戦3試合があった。

 第1試合は、岡豊が清水に5回コールド勝ち。岡豊の主戦植田は四回を投げ、1人の走者も出さず7奪三振と快投。清水は4失策など守備の乱れが響いた。

 第2試合は、須崎総合が3点を追う七回、四球を挟んで5連続安打などで5点を奪い逆転した。土佐塾は九回に馬場のランニング本塁打で1点差に迫ったが、及ばなかった。

 第3試合は、高知商が一回に元山の2点本塁打などで3点を先制した。主戦真城は無四球で制球がさえ、9回を1失点に抑えた。高知工は内野ゴロの間に奪った1点にとどまった。

土佐塾・上田廉選手 治療やめ挑んだ最後の夏

 土佐塾は1点をリードした六回表1死満塁、「ここが勝負どころ」と白壁大輔監督は、代打に上田廉(3年)を送り出した。

 前の五回、土佐塾は全てのアウトをフライで打ち取られていた。上田は「低い打球を打とう」と心がけた。須崎総合の主戦上岡優恭(同)が狙った内角高めの変化球を無心で振り抜いた。ライナー性の打球は右翼前に飛び、貴重な1点を追加した。

 新チームでは当初、副主将で二塁手のレギュラーだった。だが昨年5月以降、締め付けられるようなふくらはぎの痛みが続いた。ひざから下に血液が流れにくくなる病状だった。

 復帰に向けて投薬治療を始めた。だが、薬には血液の流れが止まらなくなる効果があり、出血につながる激しいプレーができなくなった。練習中は、グラウンドの周辺を歩く運動療法を続けた。手術も3回受けた。

 だが、一時的に症状は和らいだが、完治しなかった。「何で自分だけ」。野球をやめたいと、家族にも相談した。母の佐代さん(47)は「いつかよくなるかもしれん」と励ましてくれた。

 今年4月、「最後の夏は、やっぱりみんなと野球がしたい」と、医師や家族と相談して薬をやめた。練習に復帰したが長時間の運動はできず、痛みが走ると、地面に座り込むこともあった。下半身が使えない代わりに上半身をマシンで徹底的に鍛えた。打球が以前より飛ぶようになり、試合前には白壁監督から「代打でいくぞ」と指名されていた。

 チームは七回に5点を奪われて逆転され、1点差で敗れた。上田は「こんな自分を受け入れてくれたチームメートに感謝したい」と話した。佐代さんは「心配もしたけど、最後にヒットを見ることができてうれしかった」と涙ぐんだ。=敬称略(加藤秀彬)