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 第101回全国高校野球選手権東・西東京大会(東京都高校野球連盟、朝日新聞社主催)は22日、東大会の準々決勝2試合があり、ベスト4が出そろった。

 第1試合の日大豊山―帝京は、日大豊山が1点を争う緊迫した試合を制し、準優勝した2015年以来の準決勝進出を決めた。

 好投手同士の投げ合いとなった第2試合の上野学園―修徳は、少ない好機をものにした上野学園が勝利し、初めての4強入りを果たした。

 23日は西大会の準々決勝2試合が神宮球場である。

厳しい練習で越えた壁 帝京・藤波怜央選手

 1点を追う八回裏の攻撃も2死一塁。打席に入った帝京の4番藤波怜央(3年)は、きわどい外角の球を見極めて四球を選ぶと軽く右の拳を握った。一塁走者を得点圏に進め、一打同点の好機に。だが、後が続かず、藤波らは本塁を踏めなかった。そのまま帝京の「夏」が終わった。

 昨秋の都大会1回戦で2本塁打を放つなど活躍した。長打力を買われ、昨年12月の東京都高校野球連盟のキューバ遠征のメンバーに選ばれた。現地の試合で使う木製バットに対応できず、逆に打撃の調子を崩した。帰国して金属バットに戻っても復調しない。「バットを振るしかない」

 好調時の感覚を思い起こしながら、素振りやティー打撃などを続けた。ゆったりしたフォームで早めのタイミングで打つうちに感覚が戻ってきた。トンネルを抜けたのは、春の都大会が終わったころだった。

 一方で、キューバ遠征で学んだことは多かった。選抜された周囲の選手は現地で、試合のない日もバットを振り、筋力トレーニングをしていた。「自分を高める心構えが違った」。帰国してチームに伝え、互いにミスも厳しく指摘し合うようにした。自身にも厳しく向き合うことになる。競り合いで力を出すための気持ちも強くなった。

 5番打者として始まった今大会は、初戦で2点二塁打を含む2安打を打つなど攻撃の要になった。前田三夫監督は「練習でいい打球を放っている」と5回戦から4番に据えた。ただ、この日は藤波を含め、鋭い変化球を武器にコーナーをつく日大豊山のエースから、得点を奪えないまま終わった。

 試合後、目を赤くした藤波は言った。「練習は厳しかったが、仲間と濃い時間が過ごせた。ここで野球をやれてよかった」(山田知英)