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 甲子園まであと2勝――。第101回全国高校野球選手権千葉大会は22日、準々決勝4試合があり、ベスト4が出そろった。市原中央と市川は、互いに初の4強進出をかけて戦い、市原中央が3―0で勝利。習志野は成田を振り切り、木更津総合は市船橋を下した。八千代松陰は千葉明徳に完封勝ちした。23日の休養日を挟み、準決勝2試合は24日、ZOZOマリンスタジアムであり、決勝は25日に同球場で予定されている。

「考える野球」に手応え 23年ぶり8強の市川

 「考える野球」で旋風を巻き起こしたノーシード校が涙をのんだ。

 両チーム無得点で迎えた三回裏。2死満塁で、市川の依田怜樹(よだりょうじゅ)主将(3年)が守る遊撃にゴロが飛んだ。ピンチ脱出か――。しかし、打球は目前で大きくはね、グラブをかすめて外野を転々とした。「体で止めようと思ったが……」。依田君は試合後、悔しがった。

 「お前たちは野球を知らなすぎる」。昨年の秋季県大会の地区予選で敗退した選手たちに井本陽(あきら)監督が伝えた。試合の流れやポイントが理解できておらず、練習試合でも負けが重なった。平日の練習時間は平均2時間半。強豪校に勝つには「考える野球」をするしかなかった。

 井本監督は選手たちに野球を勉強してもらおうと、練習試合でサインを出すことをやめた。先発メンバーや選手交代のタイミングも、全て選手たちに考えさせた。「選手の意思を尊重する。そのかわり、チャンスをつかむのは自分自身だぞ」。井本監督は選手たちに言い続けた。

 選手たちは徐々に、「考えながら」野球をするようになった。この試合も、三回にミスから先制点を与えた後、選手たちは切り替えた。「ミスは仕方ない。次のミスが出ないようにどうすべきか考えよう」。依田君を中心に声を掛け合った。だが1点が遠かった。

 それでも23年ぶりのベスト8。シード校の千葉黎明、銚子商も破った。エースの加来(かく)壮多郎君(3年)は2試合を完封。中軸の渡辺幸太君(同)は1試合6打点の活躍。チーム内の自由な雰囲気が一人ひとりの力も伸ばした。

 「短い練習時間でも勝ち上がれることを証明できた」。敗退後、主将の依田君は晴れやかに話した。多くの人の心に刻まれる快進撃だった。=ゼットエー(福冨旅史)