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 第101回全国高校野球選手権岩手大会は22日、県営、花巻の2球場で準々決勝計4試合があり、4強が決まった。高校野球史上最速の大船渡の佐々木朗希投手は登板せず、チームは延長十一回を制し、13年ぶりに4強入りした。一関工は3年ぶり、黒沢尻工は36年ぶり、花巻東が2年連続で4強入りを果たした。23日の休養日を挟み、準決勝2試合は24日に県営野球場で予定されている。

先輩の雑草魂、引き継ぐ 久慈・中村琉暉選手(2年)

 五回まで相手投手の変化球を低めに集める投球に苦しみ、無安打に抑えられていた。「この流れを断ち切る」。六回裏1死の場面で、久慈の中村琉暉選手(2年)が初球の直球を思いっきり振り抜いた。詰まりながらも左前に落ち、チーム初安打となった。

 「1安打出れば流れはくるぞ」。柴田護監督がそう話した通りの展開になった。中村選手の一打で選手の肩の力が抜けたのか、この回で2点を返した。続く七回裏には2死三塁の場面で、再び中村選手が中前適時打を放ち、最大4点あった差を追いついた。

 中村選手は練習であえてスローボールを打ち続けた。打ち急ぐ癖を直し、引きつけてしっかり打ち返すためだ。バットは数え切れないほど振ってきたから、自信はあった。

 紆余(うよ)曲折を乗り越えて結束力をつけた今年のチームは、勢いや流れをものにするのが得意だった。

 昨秋の大会で久慈は予選で敗退した。柴田監督は「たるんでいるからだ」と渡辺彩斗主将(3年)ら当時の2年生全員に退部届を出させた。渡辺主将らはゴミ拾いなどを通して自分自身を見つめ直した上で、練習にも全力で取り組んだ。

 そんな立ち直っていく先輩の姿を、中村選手は「普通だったらダメになってしまいそうなのに、踏ん張って頑張る先輩たちに雑草魂を感じた」。

 中村選手は「来年は自分たちが大船渡の立場になれるよう先輩の姿勢を引き継いでいく」と誓った。(中山直樹)