視覚障害の有権者に「白杖預かる」 投票所で不適切対応
木村浩之
東京都町田市の参院選の投票所で視覚障害がある有権者への不適切な対応があったことが、市選挙管理委員会などへの取材で分かった。白杖(はくじょう)を持って訪れた全盲の男性(58)に、男性職員が「白杖をお預かりします」と語り、白杖を持って移動してもらうことを前提に作られた対応マニュアルに反する言動があった。
男性は21日午後3時半過ぎに投票所を訪れた。対応した職員が、投票所が狭く従事者や器材に白杖がぶつかることを心配し、預かると告げた。男性は「白杖は体の一部なので困る」と訴えたという。
市選管の担当者によると、対応マニュアルに白杖の取り扱いについて明文の規定はないが、不手際があったと判断して男性に謝罪し、投票してもらった。
市選管は「勉強不足があった。今後今まで以上に注意喚起したい」。男性は2020年東京パラリンピックを見据え、「役所は市民の手本になるべきで、理解不足では済まされない。意識向上が急務」と話した。(木村浩之)
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