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 香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる問題が市民への暴行に波及し、社会の分断が深まっている。香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は早期に沈静化させたい考えだが、政権の弱体化で打つ手がほとんどないのが実情だ。

 香港北西部の元朗駅の構内で21日夜、改正案の撤回を求めるデモに参加した市民らが突然、白いTシャツ姿で、木の棒などを持った数十人超の集団に襲撃された。計45人が負傷し、うち1人が重体だという。警察は22日、男5人を拘束した。香港メディアによると集団は事件直前、バスで現場に現れたといい、民主派に批判的な勢力に雇われたグループとの疑念もでている。

 警察が駅に到着した際、集団はすでに現場から立ち去っていた。民主派はこの点を問題視しているが、親中派は「民主派の抗議活動のせいで警察の出動が遅れた」と反論。非難の応酬を繰り広げている。

 親中派の市民らは20日、香港政府への支援を表明する大規模な集会を開催し、民主派への対抗意識をあらわにした。参加した60代の女性は「民主派は暴徒だ」と吐き捨てた。

 林鄭氏は一連の問題を受け中国政府に辞任を申し出たが拒否されたとされ、求心力が大きく低下した。その間、市民の抗議活動はエスカレートし、暴力事件まで発生。対立が深まる香港社会では、憎悪の感情すら芽生えつつある。

■中国、デモ隊を強…

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