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(22日、高校野球島根大会 松江工5-4浜田商)

 「まだ1点。焦っちゃいけない」。浜田商の3番真鍋和大君(2年)は一回裏の打席に入ると、ゆっくりと構えをとった。

 一回表にバッテリーエラーで先制された直後の攻撃。先頭の中嶋優太主将(3年)が四球で出塁すると、「完全にモーションを盗めた」とすかさず二盗。真鍋君への4球目ではさらに三塁を陥れた。「キャプテンの意地を見て、楽になれた」と、5球目の直球をライト前に運び試合を振り出しに戻した。続く二回裏にはセンター方向への適時二塁打を放ち、チームに流れを呼び込んだ。

 浜田商はベンチ入りが可能な20人に満たない選手18人でこの夏に挑んだ。3年生9人に対して、2年生5人、1年生4人と部員数の減少は深刻だ。ミート力を買われ中軸に座った真鍋君は、少しでも長く3年生と野球がしたいと臨んだ。

 真鍋君は逆転を許した後の七、八回の守備で、それぞれフェンス際の難しいファウルフライを三塁から猛然と追いかけ好捕した。「普段なら怖くて捕れていない」という飛球だったが、勝ちたい気持ちが気迫のプレーを生んだ。

 1点差で惜敗し、相手校の校歌が流れ始めると涙にむせんだ。「来年頑張れ」と先輩からチームを託された真鍋君。「3年生からは積極性や団結力を学んだ。来年人数は少なくなるが、今年の借りを返したい」(清水優志)