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(23日、高校野球青森大会 八戸学院光星12―4聖愛)

 7点をリードされた六回、弘前学院聖愛の選手たちは笑顔だった。

 4番の桜庭脩永(3年)もその一人。前の2人が凡退しても、「1本出れば流れが変わる」。軽く肩を回してバットを構え、相手投手をじっと見据えた。

 狙っていた球は初球からきた。外角に甘く入ってきた変化球をたたき、打球は外野フェンスを越えた。ダイヤモンドを全力で一周し、仲間と力強くハイタッチした。

 桜庭が考える4番の役目は、苦戦している場面で打ち、チームに流れを呼び込むことだ。それ故に重圧を感じることもあったが、試合前日に先輩からLINEで届いた「緊張しても楽しめ」というメッセージで、気持ちが楽になった。

 逆転勝ちを重ねて優勝した春の東北大会からチームの合言葉になった「逆転の聖愛」。ベンチからは何度もその言葉が飛び、桜庭も最後まで逆転を信じたが、届かなかった。試合後、桜庭は声を震わせながらも「楽しかった」と笑顔を見せた。

 「次に4番になる後輩にも、『楽しめ』って伝えます」。先輩からもらったメッセージを、後輩たちに託した。(板倉大地)