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(24日、高校野球奈良大会 天理7―1郡山)

 春夏通算51回の甲子園出場を誇る奈良の強豪・天理。春季近畿地区高校野球大会の奈良県予選では、準々決勝でコールド負けした。相手は県立の郡山。春夏通算12回出場の古豪だ。

 5月5日、春の県予選準々決勝。郡山のエース鎌田健志君(3年)は低めをつく丁寧な投球で天理打線を翻弄(ほんろう)し、打線も14安打。10―2(8回コールド)で勝った。強豪校の大敗に球場はざわついた。

 郡山の池田健太主将(3年)は「一戦一戦、強くなっていった結果」と振り返る。今春、再任用で就任した生島秀峰(しゅうほう)監督(61)が、低く強い球を打ち返すよう徹底した成果だという。「勝ち上がって、打線も調子が上向いていた。打ち合いになると思ったが……」と生島監督。

 実はこのとき、天理の北野樹主将(3年)は右肩のけがでベンチ入りしていなかった。新チームになった昨秋の県予選は捕手で3番打者として活躍。全5試合に出場し、打率は7割を超え、本塁打2本を放った。

 練習や試合でも仲間に厳しく注意する責任感の強い性格で、チームの精神的支柱でもある。中堅手の吉田隼(はやと)君(3年)は「厳しいことも言うけれど、一番仲間思い」。打席に立てば好機に強く、中村良二監督(51)は「ピンチでもいるだけでみんなが安心する。北野につなげばなんとかなると思っている。チームの軸。北野が『大丈夫』と言えば、浮足だったチームも落ち着く」と話す。

 北野君はリハビリを重ね、今夏に復帰。捕手よりも肩に負担が少ないと、20日の大会初戦には一塁手として出場。適時打を2本放ち、チームは7―0でコールド勝ちした。

 郡山は2000年を最後に夏の甲子園出場から遠ざかっていた。03年、09年と奈良大会の決勝で、郡山の甲子園出場を阻んだのが天理だ。郡山の生島監督は「天理は春よりも打力が上がっている。引き離されないように、食らいついていく」と話していた。

 天理の中村監督は「打てなかった方が負ける。先手必勝でいきたい。選手も郡山と戦うことを楽しみにしている」と話す。北野君は「出るからには、活躍して勝利に貢献したい。次は絶対に負けません」と春のコールド負けの雪辱を誓っていた。 24日、奈良大会の3回戦で両校は再び対戦。天理が7―1で郡山に勝利した。(佐藤栞)