[PR]

 子育てに悩んだ時期に「つらい育児の象徴」だったおむつ替えを楽にしたい――。そんな思いで、10年以上かけ「おむつポーチ」の研究を続けてきた女性がいる。数々の失敗を経てこの春、必要なものを全て入れられ、片手で簡単におしりふきを取り出せる理想のポーチを完成させた。

 茨城県つくば市の今野尚未さん(41)が開発したのは「おむつ替えを20秒短縮できるポーチ」。ポーチの真ん中の穴に着脱式のフタを付け、片手でおしりふきを取り出すことができる。3人の娘の子育てで、おしりふきをなかなか出せずにイライラしたり、乾いてしまったりといった経験から考えた。「おむつ替えは子ども1人あたり6千回ともいわれる。20秒の短縮はとても大きい」と今野さん。 きっかけは、長女を出産した12年前。母親に厳しく育てられた経験から、自分の子どもを育てる自信が持てなかった。周囲から「お母さん」と呼ばれるのも違和感を覚える状態が1年近く続き、「産後うつだったのかも」と振り返る。

 出産後、インターネットで化粧品販売の仕事を始めた。おしりふきのフタの販売を手がけたのを機に、「楽におむつ替えできるポーチを自分で開発しよう」と思い立った。

 手持ちのポーチに穴を開け、試作品を作るところから始めた。粘着式のフタが取れやすかったり、少し仕様を変えるとフタがあかなくなったり。失敗を繰り返しながら「異常な執念」で試行錯誤を続け、3月に完成させた。

 Mサイズは送料、税込み3480円。安くはないが、「不要なものはそぎ落としつつ、工場にも無理のない価格を設定した」という。「助かった」と声が続々と寄せられ、「大変だったけど、誰かの役に立てることで、自分の支えにもなった」と思う。夫と運営するネット店舗「美人家」のサイトで販売している。(仲村和代)