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 第101回全国高校野球選手権大阪大会(朝日新聞社、大阪府高校野球連盟主催)は23日、大阪シティ信用金庫スタジアムなど3球場で4回戦10試合があり、ベスト16が出そろった。

 3年ぶりの優勝を目指す履正社は大阪電通大との接戦を制し、昨夏代表の近大付はコールド勝ち。東海大仰星は3試合連続のコールド勝ちで、岸和田と清教学園は終盤に勝ち越して次戦へ駒を進めた。

 予備日を挟んで25日に5回戦8試合がある。

データ野球 配球に生かす 大阪電通大・小島遼太君

 「勇気を持って投げろ」。1点差の六回裏1死一、二塁。マウンドに立つ大阪電通大の小島遼太君(3年)は伝令からの言葉にうなずいた。対するのは、履正社の4番井上広大君(同)。今大会屈指の好打者を前にしても、小島君は顔色ひとつ変えずにボールを握った。

 大阪電通大の課題は、守備だった。内野を作るのも難しい小さなグラウンドを、他部との兼ね合いで週2、3回しか使うことができない。内野ノックもできず、大学のグラウンドを借りられる土日以外はキャッチボールやティーバッティングなどの基礎練習しかできない。春の大会では守備のミスが重なって負けた。

 強豪を相手に接戦に持ち込んだ原動力は、就任5年目となる渋田淳一監督の「データ野球」だ。20日にあった履正社―箕面学園の3回戦を2台のカメラで撮影した。その映像をもとに、渋田監督が各打者について、コースごとに打ちやすい方向や、変化球への対応などを分析。結果に基づき、渋田監督が打者への配球や守備位置調整の指示を出す。

 六回裏、履正社の井上君に対しては内外に投げ分けて内野ゴロに。次の打者も内野ゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた。井上君は試合後「内角の真っすぐと外角の変化球の組み立てにやられた」と振り返った。

 渋田監督の配球と、それを実現させる制球力で、小島君はこの日8回を投げて2失点。強力打線を散発6安打に抑えた。それでも悔やむのは一回、先頭打者に与えた四球だ。その後犠飛を打たれ先制を許した。「立ち上がりの制球が課題だったのに、夏までに調整できなかった」

 「でも、後ろのみんなが無失策でしっかり守ってくれた。だからここまで戦えた。感謝しかないですね」。最後まで表情を緩めなかった小島君が、笑った。(山田健悟、野田佑介)