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 第101回全国高校野球選手権群馬大会は23日、上毛新聞敷島球場で準々決勝2試合があり、4強が出そろった。前橋商は3点差をはね返して樹徳に逆転勝ち。昨秋準優勝の桐生第一は、前監督の福田治男氏が率いる利根商を5回コールドで破った。準決勝は25日、同球場であり、4連覇をめざす前橋育英は桐生第一と、関東学園大付は前橋商とそれぞれ対戦する。

因縁対決 磨いた勝負勘見せた 利根商・福田監督

 見慣れたユニホームの選手たちが、慣れ親しんだ校歌を高らかに歌う姿を三塁側のベンチ前から見つめた。桐生第一に0―10の5回コールド負け。元教え子たちに実力差を見せつけられた利根商の福田治男監督(57)は「完全な力負け」と話した。

 創部から30年以上、桐生第一を指導してきた福田監督。1999年夏には県勢初の全国制覇に導くなど実績を積み上げたが、近年は前橋育英と健大高崎の2強に押され、「総合的な経営判断」を理由に昨年8月、監督を解任された。11月には自ら県庁で記者会見を開き、解任に不満を漏らすなどしこりも残った。

 今春から利根商での指導を始め、準々決勝で実現した対戦。「自分の過去を引きずるのは選手たちに失礼」と多くを語らなかった福田監督だったが、「対戦は楽しみだった。意識した選手も多かった」と主将の高橋晃生(3年)。桐生第一で5年以上コーチを務めてきた今泉壮介監督(39)は対戦を前に「福田監督に成長した姿を見せよう」と選手たちに伝えた。

 試合は初回から動いた。「悪くなかった」(福田監督)という先発の地野達哉(3年)が、外角の球も踏み込んで芯でとらえる相手打線に初回から2失点。三回にも再びつかまり降板した。継投した星光汰(1年)も勢いを止められない。3試合で2失策の守備は、この日だけで5失策。点差はずるずる開いた。

 打線も相手エースの前に2安打と沈黙。最後までベンチから乗り出して声を出した福田監督は「厳しい試合を戦うスタミナや精神的な強さがまだまだ足りなかった」と敗因を語った。

 それでも今大会は初戦から3試合連続で1点差で競り勝つ強さを見せ、シード校の伊勢崎清明も破った。3年ぶりの8強入りで、再び「北毛勢初の甲子園」という目標が見えてきた。主将の高橋は「代打の起用や継投など福田監督の勝負勘はさすがだと思った。ここまで仲間と来ることができてよかった」。福田監督は「3年生はここまでよく頑張った。これから強豪私学と対等に戦えるチームを作りたい」と再起を誓った。(森岡航平)