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(23日、高校野球山口大会 柳井8―0周防大島)

 七回裏2死、コールド負けまであと1死。球場のアナウンスが代打として告げたのは、周防大島の杉井洋平君(3年)。「杉井を、最後に出してやってください」。ベンチの3年生たちが藤谷哲也監督に直訴し、打席に送り出された。

 外野手の杉井君は昨年夏、練習中にひじを疲労骨折した。今年春にも指を骨折し、1年以上試合に出られなかった。

 でも、腐らなかった。練習を休まず、走り込みなどを黙々と続け、球拾いをはじめ、練習の手伝いや準備にも積極的に取り組んだ。主将の竹内皇雅君(3年)は「自分も試合に出たかっただろうに、一番大きな声を出してチームメートを励ましてくれていた。最後に思い切りやってほしかった」。

 杉井君は「みんなのためにも打ってやろう」とフルスイングで応えたが、結果は三振。ゲームセット。

 「打ちたかった」。試合後、杉井君は目を赤く腫らして話したが、「けがばかりで迷惑をかけたけど、最後はみんなで戦えてよかった」。笑顔で続けた。(滝沢貴大)