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(23日、高校野球長崎大会 九州文化学園8―1対馬)

 県営の第1試合、五回の攻守交代で、一塁側のカメラ席がざわついた。「誰だ、これ」。高く澄んだ、伸びやかな歌声。「♪人生は紙飛行機」。観衆が思わず聴き入った。

 声の主は一塁側スタンドにいた。青いTシャツにメガホンの九州文化学園のマネジャー、見島(みしま)陽菜(ひな)さん(2年)だ。

 寮の食堂で鼻歌を口ずさんでいたら、別のマネジャーから「絶対うまい」と言われ、昨秋の大会から歌い始めた。レパートリーはJポップを中心に10曲以上。歌の技術は独学だが、その美声から部内で「西野カナ」と呼ばれる。

 応援席からは驚きの声が漏れた。田端紅愛(くれあ)さん(3年)は「鳥肌立った」。元野球部マネジャーの紫垣(しがき)亜里沙さん(25)は「これだけの観客の中で、あんなに堂々と」。捕手の後藤遼介選手(3年)は「彼女の声は、球場の空気を変えられる」と話す。

 佐世保から長崎での第1試合に間に合わせるため、4時半起きだったという見島さん。「実は風邪気味で」というが、のどもチームも好調だ。「私の歌が、勝利の『トリセツ』になればいい」(横山輝)