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 官製ファンドのINCJ(旧産業革新機構)は「キャリードインタレスト」と呼ばれる業績連動報酬の支払いを凍結したことを明らかにした。旧革新機構を改組した産業革新投資機構(JIC)が導入しようとした高額の成功報酬制度が批判を浴び、昨年末に民間出身の取締役9人全員が辞任する騒ぎになった。高額報酬への批判の再燃を懸念しての対応とみられる。

 INCJは投資成果を役職員に配分するため、累積税引き前利益の3%を上限として成功報酬を分配する業績連動報酬制度を設けている。3年以上勤める者を対象とし、上限額は代表取締役が7千万円、取締役は5千万~6千万円などとなっている。代表取締役の固定給は省庁トップの事務次官並みの約2300万円で、業績連動報酬と合わせれば最大で9千万円を超す。こうした規定は2011年9月に設けていた。

 成功報酬は、経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)の上場益を計上した2013年度と、半導体大手ルネサスエレクトロニクスの売却益が入った17年度について支払われ、17年度分は約90人に計21億円を支給した。

 INCJは6月下旬の取締役会で「将来、投資損失が発生する可能性を考えて、慎重に保守的に判断した」として支払いを見送った。ただし、支払いを中止したわけではなく、所管する経済産業省幹部は「しばらく見合わせるが、支払いを約束しているものなので、いずれ再開するだろう」としている。(大鹿靖明)