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 商業捕鯨が31年ぶりに再開された。鯨肉はかつて家庭でもおなじみの食材で、全国の消費量はピーク時の1962年、約23万3千トンあったが、近年は5千トン前後で推移。市中の飲食店や小売店であまり見かけなくなった。

 そんななか、「鯨肉は生活に結びつきが強く、長崎県内では珍しい食材ではない」というのは長崎市水産農林政策課の川上幸宏係長(44)。都道府県別では長崎が最も消費量が多いとされる。9年前に調査捕鯨の肉を対象にした1人あたりの年間消費量は107・5グラム。全国平均(24・2グラム)の4倍以上あった。調査した共同船舶の久保好さん(57)は「実感として最も多く食べられているのは長崎県でまず間違いはない」とみる。

 国内で組織だった捕鯨の発祥は17世紀初め。現在の和歌山県太地町でモリで突く「古式捕鯨」が始まったとされる。効率的な漁法は全国に広まり、17世紀前半には長崎にも古式捕鯨の職能集団「鯨組」が誕生。日本海から東シナ海の鯨の回遊ルートに近いことから、捕鯨基地も数多くあった。西海岸や五島、壱岐、対馬など近海で捕れた鯨の肉は長崎の彼杵(そのぎ)港に運ばれ、そこから各地に流通した。

 創業111年の鯨問屋「日野商店」(長崎市)の日野裕一社長(64)は「冷蔵庫のない時代、塩漬けなどの加工技術が優れていた。長崎は出島貿易で栄えて裕福で、ウネやウネス(あごから腹にかけての部分)など一番おいしい部位が届けられた」と話す。

 そのため、大きな夢と希望を願う縁起物として正月や結婚式など家庭のお祝いの席で食べられるようになり、年中欠かせない食材に定着した。秋の大祭「長崎くんち」の奉納踊りに登場する「鯨の潮吹き」は人気出し物の一つだ。市内の鯨肉料理店「割烹(かっぽう)とんぼ」おかみの小嶺弘子さん(65)は「長崎の人は縁起を担ぐのが好きだから」と説明する。

 捕鯨の歴史に詳しい生月町博物…

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