【動画】伊豆で越冬の死滅回遊魚が産卵
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 冬の海水温が下がらず、「死滅回遊魚」とも呼ばれる「季節回遊魚」が多く越冬した静岡県の伊豆半島沿岸で今月、南方種の一種ニラミギンポの産卵が確認された。紀伊半島や伊豆諸島での産卵例はあるが、伊豆半島での報告は初めて。

 西伊豆町宇久須の黄金崎で15日、水深8メートルの岩の穴でニラミギンポが卵を守っている様子を、黄金崎ダイブセンターのガイドが見つけた。19日に写真家の堀口和重さん(33)が写真を撮影。直径2センチちょっとの巣穴の縁に産み付けられた1ミリほどの卵は目の黒い点がはっきりと分かる。

 22日、記者が同ダイブセンター代表の高木剛彦さん(54)の案内で、現地を訪れた。写真にあった卵はすでにハッチアウト(孵化(ふか))したと見られるが、奥に新しい卵があるらしく、ニラミギンポが巣穴を守っていた。巣穴の外にもう1匹おり、腹が卵で膨れていることからメスらしい。巣穴で卵を守るオスとのペアと考えられる。

 1988年から伊豆の海に潜り続けている高木さんも、「南方種の産卵を見たのは初めて。驚いた」と話す。昨夏、黒潮に乗って南方から来たニラミギンポの幼魚が越冬して成長したとみられる。例年、黄金崎では冬の海水温は14度以下、時には12度程度まで下がるが、この冬は16度までしか下がらなかった。例年なら低水温に耐えられず死滅する南方種の多くが越冬し、今も元気に泳いでいる。(岡田和彦)

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