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前橋育英高校

人生は経験なり

 2019年夏、前橋市の球場には熱気が満ち満ちていた。

 全国高校野球選手権群馬大会の3回戦。春の選抜大会に2回、夏の選手権大会に4回出場し、2013年の夏には初出場初優勝という快挙を成し遂げている前橋育英高校が登場し、スタンドでは70人の吹奏楽部員が精いっぱいの演奏で選手を後押ししていた。

 顧問の柿沼晴吾が作曲した前橋育英オリジナルの《Run and Go》や《Gain a Victory》、人気応援曲の《SEE OFF》などが球場に響き渡る。

 快音が響いた。打球が夏空に舞い上がり、前橋育英の選手がホームベースを駆け抜ける。得点が入った瞬間、吹奏楽部のみんなから「マユさん」と呼ばれる部長の狩野茉優(かのう・まゆ)=3年=は、先ほどまで演奏していたスーザフォンを高々と掲げ、頭上で回し始めた。前橋育英名物の「スーザ回し」だ。

 前橋育英吹奏楽部のもう一人の顧問・深澤準一は、同じ群馬県にある東京農業大学第二高校吹奏楽部でチューバを吹いていた。「スーザ回し」は、その深澤が教員として赴任した前橋育英にもたらした。「選手がどんどんダイヤモンドを回ってたくさん得点が入る」という思いが込められている。

 夏のまぶしい陽光を浴びながら、その日マユさんは真っ白なスーザフォンを何度も回転させた。高校生活最後の夏、マユさんの心は野球部員とともにグラウンドを駆け巡っていた。

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