[PR]

(24日、高校野球石川大会 星稜2―1遊学館)

 九回裏、星稜の守り。ベンチから新保温己(はるき)君(3年)が叫んだ。

 「楽しんでいこう」

 リードしているものの、わずか1点。大声は、遊学館の圧力を感じながら守る選手たちを鼓舞した。

 温己君にはもう一つ、「絶対に負けられない戦い」があった。

 九回裏1死、打席には遊学館の捕手で、弟の朋也君(1年)がいた。

 温己君は背番号16。二塁手としてベンチ入りし、普段はランナーコーチとしてチームに貢献している。

 朋也君は背番号2。春夏7回甲子園出場の遊学館でレギュラーとして活躍。打撃も評価されている。

 「優しくしてくれた先輩のためにも何としても勝つ」。朋也君は、兄のいる強豪を倒す気で打席に立ち、プロ注目右腕が投じたボールを打ち返した。手に良い感触は残った、が、右飛。チームも善戦したが、あと1点が遠かった。

 兄弟「対決」は兄に軍配。温己君は弟に「今日もいいプレーが多かった。まだまだ成長できる。頑張って欲しい」。朋也君は「僕たちの思いも背負って優勝して欲しい。来年は絶対に星稜を倒して甲子園に行く」。(岡純太郎)