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(24日、高校野球三重大会 菰野7-0桑名西)

 数人の仲間が涙する中、桑名西の藤井陸人選手(3年)は、さっぱりとした表情で言った。「強い相手と試合ができて楽しかった」

 9年ぶりに8強に残った。だが第1シードの菰野は強かった。相手左腕に散発3安打に封じられた。そのうち1本が二回に藤井選手が記録した遊撃内野安打だった。

 個々の力は強豪校にかなわない。だからチームは「公立の野球」(中西史一監督)を目指した。あいさつや整理整頓など私生活をきちんとすることが、試合での粘りにつながるという考えだ。試合前も、選手らは飲料業者の搬出入の作業を手伝った。

 模範を示したのが藤井選手だった。毎夜、帰宅後の勉強を欠かさず、今では学年トップクラスの学力に。毎日数百スイングの自主練習も怠らなかった。「高校野球で時間の使い方を学べた。結果も出て自信になった」。大学進学後も野球に携わり、将来は消防士を目指す。