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広島で国際平和シンポ開催

 国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道」(朝日新聞社、広島市など主催)が27日、広島市内で開かれた。映画作家・大林宣彦さん(81)が、戦争と広島原爆を描く新作のカットを対談の舞台で初公開。「映画で僕が知っている戦争を伝えたい。映画で未来を変えることはできる。若い人たちが未来を平和にしてくれる」と語り、約550人の参加者が拍手で応えた。

 新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は、大林監督の故郷・広島県尾道市の映画館が舞台。戦争映画を見ていた若者たちが中国戦線や沖縄戦の現場にタイムスリップをして愛する人の死に直面し、原爆投下直前の広島へ。巡業中に被爆死した実在の劇団「桜隊」と出会い、その運命を変えて救おうとする物語だ。劇場公開は来年春以降の予定。

 がん闘病中の大林監督は車いすで登壇。戦時中に生まれ、映画人として「厭戦(えんせん)」の思いを数々の作品に込めてきた半生を振り返った。そして、新作カットから原爆ドームや桜隊が登場する場面を映し出し、「子供たちには、この映画を通じて戦争の愚かさを知ってほしい」と力を込めた。対談した同郷の俳優・東ちづるさん(59)は、被爆者の証言を世界各地へ伝える活動に参加してきた体験を語り、「若い人たちには、過去にどういうことがあったか、大人が知らせなければならない」と話した。

 シンポでは、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さんが「核大国の暴走を許さないために」と題して基調講演。核時代の新たなリスクや市民社会の役割について、日米の専門家らがパネル討論で語り合った。(田井良洋、八田智代)

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 読者がつづった戦争体験を掲載してきた本紙声欄「語りつぐ戦争」は今年15年目を迎え、27日、朝日新聞デジタルに特集サイトを開設しました。「原爆・広島」や「東京大空襲」といったキーワード、年表、地図から関連する過去の投稿がいつでも読めます。学校での平和学習にもご活用ください。URLは、https://www.asahi.com/special/koe-senso/