2年生の一打、初得点呼ぶ 東京学館新潟、学校初の決勝
佐藤瑞季
(24日、高校野球新潟大会 日本文理12―3東京学館新潟)
直球を思い切りたたいた。七回、2年生打者がチーム初得点を呼び込んだ。
9点を追う展開にも、打席に入る東京学館新潟の5番打者・小林勇翔(2年)の頭にあったのは「1点ずつ返そう」という冷静な考えだった。それまでの2打席は、いずれも回の先頭で凡退。3打席目で回ってきた1死三塁の好機に、初球を強く引っ張ると、打球は三塁手を襲う適時内野安打となった。
大量リードを奪われた終盤、小林を支えたのは「ちょっとでも3年生と長く試合をしたい」という思いだ。試合後、「楽しかった」と笑顔で同校初の決勝を振り返ったが、「次は甲子園行ってくれ」と声をかけていく先輩を思うと涙が出た。どんなコース、球種でもしっかり打てるように基本練習からやり直す。「チームを明るく引っ張ってきたい」。次の夏を見据えていた。(佐藤瑞季)