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(24日、高校野球三重大会 津田学園4―0皇学館)

 皇学館のエース奥田回投手(3年)は自信を深めた。初回のミスで失点はしたが、三振を奪えている。津田学園と互角の戦いを繰り広げた。

 2年前、一年生大会で宇治山田商に大敗を喫した。「素人みたいな選手もいるな」。当時部長だった井出宏監督は嘆いた。

 神奈川県の公立校で長く指導者を務めた。横浜ら強豪私立がひしめき合う神奈川で健闘したが、甲子園には届かなかった。「もう一度甲子園を目指したい」と単身赴任で三重にやってきた。還暦を迎えてもなお、夢舞台に挑戦する気持ちは冷めなかった。

 「井出マジック」。選手たちがそう呼ぶ井出監督は戦術の引き出しが豊富だ。奥田投手は投ゴロの処理ひとつでも練られた指導に舌を巻いた。

 甲子園常連校の東海大相模(神奈川)や智弁和歌山と練習試合を組んだ。強豪校との対決は刺激になり、度胸もついた。だからこそ春の選抜大会に出場した津田学園を倒すことに目標を置いてきた。

 津田学園の前佑囲斗投手(3年)の最速148キロの速球が投げてから手元に届くまで「0・4秒」。チームではその間に振り切れるように、時間を計ってスイング練習した。井出監督が譲ってもらった160キロ級の速球が投げられる打撃マシンも使う。前投手から2安打を放った井島大和選手(3年)は「落ち着いて打ちにいけた」と話す。

 最後はミスで招いた失点が響き敗北したが、津田学園と同じ計5安打で投打とも健闘した。3回三塁を踏んだが本塁は遠かった。

 2年連続の8強入り。引退する選手も下級生も来年の再戦に燃えている。もちろん、強敵を倒した先の甲子園を本気で見据えつつ。(村井隼人)