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(24日、高校野球岩手大会 大船渡5―0一関工)

 大船渡の佐々木は一回、4番を2ストライクと追い込んだ球で、四球で出していた一塁走者に二盗を許した。ぴくりとも表情を変えない。直後、低めを走った直球の球速は157キロ。バットを振らせることなく、三振に仕留めた。

 194球で12回を完投した4回戦から中2日。やや制球は乱れたものの、一回から最大の強みである球威は十分だった。その裏、自らの適時打などで奪った先制点も追い風に乗っていく。許した安打は単打が2本のみ。3回戦で盛岡大付を破った一関工打線に三塁を踏ませなかった。

 以前、プロ野球オリックスの抑え投手、増井がこんなことを言っていた。「ボールを前に飛ばさせない三振は、最も安全にアウトをとれる手段。だから狙うんです」。今大会、登板した4試合での佐々木の奪三振数は2、13、21、15。計29イニングすべてで三振をマークし、計87アウトのうち、51個をその「最も安全な手段」で奪っている。

 圧倒的な投球で悲願にあと一歩のところまで上り詰めた。ざわつく報道陣を制するように、「まだ優勝したわけじゃない。明日勝たなければ、1回戦で敗退したのと同じ。全力でいきたい」と佐々木。2連覇を狙う花巻東は岩手を、東北を代表する強豪。25日午後1時、岩手県営野球場。163キロ右腕のむき出しの闘志が見られそうだ。(竹田竜世)