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 第101回全国高校野球選手権高知大会の第6日は7月24日、高知市の県立春野球場で準々決勝2試合があった。明徳義塾は序盤に守備が乱れたが、中盤に得点を重ね逃げ切った。岡豊は11安打で11点を奪い、6回コールドで勝利。シード勢2校が4強に名乗りを上げた。

ひたむき留学生、次見据える 高知中央・曽選手

 高知中央が3点を追う九回表2死一塁、打席に入った1番打者曽昱磬(ソウユウチン)(2年)は緊張しきっていた。「最後の打者にはなりたくない」。変化球が切れる明徳義塾の山田圭祐(3年)に対し重心を低くし、真ん中のスライダーを強振。打球は中堅手を越え、適時二塁打となった。あと2点。

 台湾出身。小学5年で野球を始めた。左打ちにしたのは、メジャーリーグで活躍したあこがれの選手、イチローの影響だ。打席に入るとイチローのようにバットを立て、右腕をマウンドに向ける。投手に威圧感を与えることが狙いだ。

 昨年6月、日本語を学ぶために台湾から留学生として入学した。野球部にも入部したが、日本語をほとんど話すことができなかった。主将の大串隆博(同)は「当初は全く話せなくて苦労したが、ひたむきに野球と勉強に取り組む姿勢をみんなが見てきた」と話す。毎日2~3時間の勉強を続け、今では野球用語や簡単な会話は話せる。

 重兼知之監督は、足が速く出塁率の高さを評価し、春季大会から1番打者として起用した。「どんどん次の塁を狙え」と指導した。

 だが九回はそれが裏目に出た。二塁走者となった曽は次打者への暴投の間に三塁を回り、一気に本塁を狙った。だが明徳義塾の捕手が素早く三塁へ送球し、挟殺で試合が終わった。

 重兼監督は「気持ちが出た場面。あれは責められない」と振り返る。曽は「自分のせいで終わったので残念。課題を解決して次の大会まで準備したい」。=敬称略(加藤秀彬)