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(24日、高校野球山形大会 鶴岡東11-7山形中央)

 同点の三回1死一塁。山形中央の渡部大成主将(3年)は「次につなごう」と打席に入った。「三振でもいいぞ」。気を楽にしようと、ベンチから声が飛ぶ。

 3球目。振り切った打球は中前に。その後、味方の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

 夏の決勝、県野球場。2年かけて再び戻ってきた。

 2年前の決勝、日大山形戦で、渡部選手は1年生ながら右翼手として先発出場。だが、2三振で途中交代。飛球を見誤って落球したことが、失点にもつながった。「何もできずに終わった夏だった。常に後悔があった」。いまも時々、夢に見る。

 今大会はここまで16打数9安打。強打で勝ち上がったチームをひっぱってきた。この日は死球も含めて3度出塁、すべてホームを踏んだ。2年前と同じ右翼を守った守備では、飛球を危なげなくさばいた。

 チームは中盤の大量失点をはね返せず、再び夢の舞台は目の前ですり抜けていった。「くやしい気持ちはもちろんある。でも、悔いはない」と言い切った。

 制球に苦しみながらも踏ん張った村上舜投手(3年)、代打本塁打を放った菅野航大選手(3年)。「仲間のために最後の一球までくらいつけるチームになった」と胸を張る。

 2年前は涙をこらえられずうつむいた。だが、この日は最後までまっすぐ前を見て言った。「1年の時は、連れてきてもらった。今回は、仲間に、後輩に支えてもらって一緒に来られた。ありがとうって言いたいです」(青山絵美)