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(25日、高校野球熊本大会 熊本工7―5九州学院)

 九回。九州学院の主将・川野涼多(3年)に5回目の打席がまわってきた。熊本工に2点を勝ち越され、もう後はない。

 2球目、内角に入った直球をバットの根元でたたいた。打球は右前ではずみ、土壇場での逆転への望みをつなぐ一打となった。

 1年の時から3年連続で夏の大会に出場。一昨年は決勝で秀岳館に、昨年は2回戦で東海大星翔に敗れ、夢を阻まれてきた。この夏は2回戦でシード校の熊本西に逆転勝ちし勢いに乗った。「負ける気がしなかった」と振り返る。

 自身は準々決勝までの4試合でわずか3安打と苦しみ、打てないことで引け目を感じていたが、「開き直って臨んだ」という準決勝の秀岳館戦で本塁打を含む3安打を放ってようやく勢いを取り戻した。この日の試合でも、一回、初球を左前にはじき返して先陣を切り、先取点をもぎ取った。

 六回には1死満塁と一打勝ち越しの場面で見逃し三振に倒れたが、「意地を見せてやる」と臨んだ九回はその思い通りの結果を出した。

 甲子園にはまたも届かなかった。それでも、川野は試合後、「去年までは終盤で諦めていたような試合展開でも粘り強く戦い抜けるチームを今年は作ることができた」と振り返った。

 今後は、大学で野球を続けるか、プロを目指すか考えるという。「一つ一つのプレーに対する考え方を徹底していきたい。志をもって進んでいく」(井岡諒)