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 試合後の大船渡のベンチ前で、国保(こくぼ)監督が取材に応じていた。客席から大声が聞こえた。「甲子園さ行きたくねがったのか」。制する声も飛んだ。「そんな罵声を浴びせるのはやめろ」

 エース佐々木を決勝で投げさせない。毅然(きぜん)と「私の判断」と繰り返す国保監督は批判を覚悟の上で、腹をくくっていたのだろう。

 一方で、選手はこの起用にどこまで納得していたのか。「ちょっと驚いた」「朗希(ろうき)が投げると思っていた」。試合後、少なからぬ選手がこの日朝に先発オーダーを聞いた時の感想をこう表現した。

 今夏の登板経験があった佐々木以外の2投手も決勝のマウンドには立たなかった。「彼らにも疲労がたまっている」と監督。大会初登板となる柴田、前川に託したが、4失策と守備もほころび、大差をつけられた。

 故障予防に細心の注意を払ってきた国保監督の気遣いを、佐々木は「すごくありがたいことだと思っている」と語った。同じ会見で「投げたい気持ちはあった」「甲子園に行けなかったことは残念です」とも。その表情は複雑だった。(竹田竜世)