[PR]

 「逃亡犯条例」改正案をめぐって社会が混乱する香港で、抑うつ症状の疑いがある市民が約10人に1人の割合まで急増し、この10年間で最多となったことが香港大の調査で明らかになった。専門家は理由について、民意を受け止めない香港政府に対する絶望感が背景にあると分析している。

 香港大が今月11日に発表した調査結果によると、抑うつ症状が疑われる市民の割合は、今年6~7月調査では9・1%で、2011~14年調査の1・3%の7倍だった。年齢別では、50~59歳が12・0%で最も高く、改正案に対する抗議デモの中核を担う20~29歳は5・7%だった。また、自殺を考える市民の割合は、今年6~7月調査では4・6%。11~14年調査の1・1%の4倍強となった。

 香港大は過去の調査で無作為に選んだ1万7千人超から、一定のサンプルを抽出して断続的に追跡調査を続けている。今回調査は1788人を対象に実施し、1269人が回答した。香港メディアによると、香港大の調査責任者は「政府は若者らの意見を聞いてほしい。統計の数字がさらに悪化すれば、極めて憂慮される事態になる」と述べた。(香港=益満雄一郎)