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 宮崎でも人気の豚骨系ラーメン。濃厚な一杯を早朝から食べたい、という人たちのために「朝ラーメン」を提供する店が人気を集めている。

 まだ空が白みがかっている朝6時前。宮崎市村角町のラーメン店の駐車場には、数台の車が集まっていた。店員がのれんを掛けると、1人、また1人と店の中に入っていく。店頭の看板には大きな文字で「朝ラー四百四十円 早い!安い!うまい!」。1998年に創業した「拉麺男(ラーメンマン)」のふだんの風景だ。

 もともと午前11時開業の一般的なラーメン店だった。店主の釘崎清一郎さん(51)は、常連客から「夜勤明けにラーメンが食べたいのに朝やってる店がない」と相談されたのがきっかけだった。

 頭に浮かんだのは宮崎の食文化「朝うどん」。朝から麺類を食べることに抵抗のない宮崎の人たちになら、「朝ラーメンも受け入れてもらえるのでは?」。そう考え、7年前から朝6時から開業を始めた。

 開店から午前11時まで注文できる「朝ラー」(440円、120グラム)をメニューに追加。通常のラーメン(700円、180グラム)よりあっさりめで、値段と量を抑えた文字どおりの朝仕様だ。

 早朝営業の反響は大きく、多い日は11時までに300人近くが訪れることもあるという。朝ラーで店の味を知り、常連になる人も増えた。

 運送業の男性(36)は夜から昼にかけてトラックを運転する合間、店に立ち寄り朝ラーで腹ごしらえする。出勤前の一杯を楽しみに訪れるという公務員男性は「朝からラーメンでも全然重くないですよ」とニコリ。早朝から生ニンニク入りのこってりラーメンを注文する人もいるという。初めて朝ラーを食べに来たという50代の夫婦は「実は明日から奄美(鹿児島県)に引っ越し。一度来てみたいと思っていた」と宮崎での最後の朝食に同店を選んだ。

 早朝にラーメンを食べる文化はもともと、静岡県で盛ん。藤枝市や浜松市を中心に朝早くに開店し、昼前に一度閉まる朝ラー店が複数あるという。

 一方、「拉麺男」は早朝6時から夜11時までの通し営業。ローテーションで朝ラー当番を回している。店員が閉店作業を終えたと思えば、すぐに別の店員が朝ラーのために深夜2時半から仕込みを始める。「始めた当初は眠くってフラフラになっていました」

 ワンコインで食べられる手軽さが売りの朝ラー。「大変さの割にもうけはほとんど出ないんですが、喜んでくれるお客さんのために頑張ります」(大山稜)