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 チュニジアのベジ・カイドセブシ大統領が25日、死去した。92歳だった。死因は明らかにされていない。大統領府が発表した。同国では、中東・北アフリカの民主化運動「アラブの春」の先駆けとなった2011年のジャスミン革命でベンアリ独裁政権が崩壊。カイドセブシ氏は14年の大統領選で当選して以来、新生チュニジアを率いてきた。今年6月に一時入院し、今月24日に再入院していた。

 フランス保護領時代、後に初代大統領となったブルギバ氏が設立した政党に15歳で入党。高校卒業後はパリで法律を学んだ。独立した1956年に内務省に入省。治安、国防、外交分野で経験を積み、内相や国防相、駐仏大使、国会議長などを歴任した。

 14年の大統領選では世俗派政党から立候補。大統領就任後はイスラム教徒の女性は同教徒としか結婚できない制限を撤廃した。

 チュニジアでは労働総連盟など4団体が与野党を仲介して民主化を軌道に乗せ、4団体は15年にノーベル平和賞を受賞。カイドセブシ氏は民主化を成し遂げたチュニジアの象徴だった。だが、革命の要因となった高失業率は改善せず、求心力は低下していた。(カイロ=北川学)