岩手大会決勝後、大船渡の国保陽平監督と報道陣の主なやりとりは次の通り。
――なぜ佐々木投手を先発させなかったのか
投げられる状態ではあったかもしれないが、私が判断した。理由は故障を防ぐため。
――痛みがあったのか
筋肉の張りとかそういう程度かと思うが、特に痛いとかそういうのはなかった。甲子園という素晴らしい大会、舞台が決勝戦を勝ったら待っているのはわかっていたが、この3年間のなかで一番壊れる可能性が高いのかなと思った。私には(起用を)決断できませんでした。
――本人に伝えたのはいつ
朝の練習で伝えた。
――本人は納得はしているか
笑顔で「わかりました」と言っていました。
――いつ決断した
朝です。
――ここまでの球数も含めての判断か
登板間隔と気温。今まで曇りが続いて投げやすいコンディションだったが、今日は暑い。
――今大会で登板していた和田、大和田の両投手もいたが
彼らも登板は少ないイニングだったが、精神的なものもあり、疲労がたまっていたので、今大会初登板の投手2人を投げさせた。
――選手は納得しているのか
心のなかまではわかりません。
――あくまで選手のコンディション優先か
そこを言われてしまうと、盛岡四戦で194球ですか。投げさせたのがどうなのかとか(前日の)一関工戦で120球を超えさせて投げさせたのはどうなんですかと言われてしまう。
ただ、練習試合でも連投の練習はしていたが、大会の疲労というのは、練習試合で想像していたよりも大きいものだった。本人は、私が投げなさいと言えば投げたと思うが、私はその決断はできなかった。
――展開次第で途中から投げさせることは
なかったです。
――朝はどうやって決めた
動きも見ながらです。
――目の前の勝利よりも将来をとったという見方もあるが
そういうわけではない。佐々木が投げなくても勝ちを目指した。ただ、走者が出たところで花巻東さんに守備で封じられたので完敗。それに尽きる。走者を出してからの攻防で負けた。
――勝つとしたらどういう展開を予想していたか
30―29みたいな打ちあい。
――準決勝、決勝の過密日程をどう思うか
私は発言する立場にないと思う。
――筋肉の張りとは
筋肉の名称でなに筋とは言えない。診断が出ているわけではない。
――昨日の時点で本人と話したのか
朝です。私は教員なので、彼が入学してからの行動とか、彼がどういう動きをするかというのは観察してきたつもり。
――朝の時点で完全に投げさせないことを伝えていたのか
そこまでは言っていない。
――判断に後悔は
特にない。
――昨日の準決勝で休ませて今日投げさせるという選択は
その質問は必ずあると思っていた。準決勝を勝つために中2日で、中2日だからいいというわけではないが、投げられる状態だったので、まず決勝に行くために準決勝で起用した。
――投手を守ることと甲子園を目指すことの両立は難しかったか
複数の投手をうまく育てきれなかった、私の力不足です。
――野手で出す選択肢は
守備があると、スローイングで100%投げてしまうかもしれず、それが怖かった。スイングもあったが、投げた次の日に力強いスイングができるかというと別問題なので。
――これまで選手起用などを部員と相談しながら決めてきたと思う。今回、そういう方法はなかったのか
そこは、生徒たちにとって重大な決断、とても大きな、一生心に残るような決断を、そこは僕が引き受けようと思いました。そこは大人なので。
――けがにとても敏感でコンディションを大事にするのはなぜか
米国の独立リーグでプレーしていたときの経験から。
――佐々木投手がいたこの2年半は重圧だったのか、楽しかったのか
楽しかったです。
――将来どんな投手になってほしいか
自分の理想とするピッチングスタイルに近づいてほしい。
――もし160キロの球速を出す投手でなければ、きょうは違う判断もあったのか
たくさん投げさせた時期もあった。なるべく次のステージに、野球をやめても健康で生活できるようにという思いでやってきた。結果的に肩ひじが痛いという生徒を前任校でも出してしまったことがあるので。
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