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(26日、高校野球奈良大会 大和広陵11―9天理)

 天理の応援席では紫色の着物にはかま姿の仁王立ちで応援団長の山口騰弘(のりひろ)君(3年)が表情を一つ変えず試合を見守っていた。

 野球部で練習に打ち込んでいたが、ベンチ入りメンバーが発表された際に、名前は呼ばれなかった。「あかんかった」。公衆電話から父親に報告した際は涙が止まらなかった。

 「チームのためにできることを考えたら、全力で応援することだと思いました」。応援団長に志願した。試合中は腕を組み、微動だにせず試合を見守る。心の中では叫んでいる。「頼む、打ってくれ!」

 九回裏、最後の打者が打ち取られた。表情は大きく崩れ、目から涙がこぼれた。「選手たちはベンチ外の3年生の気持ちも抱えて戦ってくれていた。本当にありがとうと伝えたい」(福岡龍一郎)