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 予期せぬ妊娠をした母親が匿名で出産し、子どもは後に出自を知ることができる「内密出産制度」の導入を検討している慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健・副院長らと市の担当者が26日、市内で意見交換をした。蓮田副院長は「議論が進まなければ将来的には母親の名前を匿名にして、病院の責任で出生届を出す可能性も考えていると市側に伝えた」と話している。

 会合は非公開で行われた。同病院や市によると、会合では、昨年度に厚生労働省が実施したドイツなど海外の先進事例の調査研究の概略を市側が報告。匿名で出産した母親のケアについて質問したという。市は国に内密出産制度の法整備の検討などを求めている。

 一方、「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する病院側は、母親が医師らの助けを借りず一人で産む「孤立出産」を防ぐことや、内密出産ができれば特別養子縁組が実現する事例があったことなどを報告したという。

 会合後に記者会見した蓮田副院長は「日本では痛ましい事件が起きないと法整備が進まない。フライングはよくないと思うが、赤ちゃんを救うためにも病院の責任で出生届を出す可能性も考えている」と話した。(白石昌幸)