京都国際、決勝へ 監督に四つ子誕生で「勝利で祝う」
(26日、高校野球京都大会 京都国際8―1京都共栄)
26日の京都大会準決勝を勝ち、決勝に進んだ京都国際。初の甲子園を狙うチームを一丸とさせ、奮い立たせているのは、「小さな命」の存在だ。
6月11日。小牧憲継監督のもとに新しい命がやってきた。1人ではない。長女・夢來(みらい)ちゃん、次男・大将ちゃん、次女・夢実(みなみ)ちゃん、三男・大倭(やまと)ちゃんの四つ子。4人は1千グラム以下の未熟児として生まれ、現在も入院が続くが、すくすくと成長している。小牧監督は「選手も四つ子の誕生をすごく喜んでくれて。『監督や奥さん、子どもたちのために甲子園に行こう』と言ってくれるんです」とうれしそうに話す。
選手たちは寮に住み、その一部屋に小牧監督ら家族も一緒に暮らしている。選手たちは妻の弥生さん、3歳の長男・勇翔君とも交流がある。やんちゃ盛りな勇翔君にとって、大きな体の選手は、かっこうの遊び相手。「怪獣ごっこ」と言って、毎日のようにじゃれているという。小牧監督は「大家族で住んでいるようなもの。妻は大変だと思うが、すごくにぎやかで楽しい空間です」と話す。
この日、3点本塁打を放って勝利に貢献した中村泰河は「(四つ子の誕生は)うれしいですよね。僕たちも勝利で祝いたいと思っているので、このまま甲子園に向けて突っ走りたい」と笑顔で誓った。新しい「家族」を迎え、さらにパワーアップしたチームが見据えるのは、頂点のみだ。(辻隆徳)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。