【動画】能勢人形浄瑠璃公演に「萌えキャラ」登場
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 大阪府最北端の能勢町で続く伝統芸能「能勢人形浄瑠璃」が30日、同府豊中市の大阪大学豊中キャンパスで披露される。演目の一つ「能勢三番叟(さんばそう)」を演じるのは西能浄(にしのきよ)さんと木勢(きせ)るりさん。と言っても、2人は「永遠の高校1年生」として活動する町の萌(も)えキャラ。大学生に親しんでもらうために初めて能勢の地を離れた公演に臨む。

 能勢町では200年以上前から、語りと三味線だけで上演する素浄瑠璃が受け継がれてきた。町は「浄るりシアター」が完成したのを機に1998年、人形と囃子(はやし)を加えた「能勢人形浄瑠璃」を作り、町民らが文楽の演者に人形の操り方の指導を受けながら、現代的な趣向をこらした公演を披露するようになった。

 萌えキャラ誕生は2014年。「いまさらゆるキャラではPRできない」とシアターの松田正弘館長らが中心となってデザインを公募。元々1人の予定だったが、公募のうち2種類が人気投票で接戦となったため、結局2人にした。

 これが功を奏した。「お浄」こと西能浄はクール、「るりりん」こと木勢るりは天真らんまんという好対照なキャラが人気を集め、全国からファンが訪れ、人形浄瑠璃も見てくれるようになった。18年に亡くなった人形浄瑠璃文楽の人間国宝、竹本住太夫さんは「思いっきりやりや」と激励してくれたという。昨年6月には人形を作って舞台デビュー。るりりんの赤い髪はコスプレ用カツラから拝借した。来場した人形遣いの人間国宝、吉田簑助さんにも動かしてもらった。

 阪大での野外公演は、以前から構想を練っていたものだ。町と阪大は以前から交流があり、15年に包括協定を締結。クラウドファンディングで資金を集めて野外公演の実施にこぎ着けた。「まちかねta公演」と名付けたのは、豊中キャンパスがある「待兼山町」と「待ちかねた公演」という意味をかけたものだ。

 30日は三つの演目を披露。お浄・るりりんが演じる「能勢三番叟」は能勢町が最初に作ったオリジナル演目で、五穀豊穣(ほうじょう)を祈って2体が舞を披露する。今回の公演のために、お浄・るりりんの衣装も新調した。

 るりりんを動かす堂本福子さん(66)は、普段は男の人形を操る。「どういう風に動かしたら若くて可愛く見えるか、永遠の課題になりそうです」。松田館長は「人形浄瑠璃はハードルが高いものではなくてエンターテインメント。どんどん仕掛けて、次の時代につなげたい」と話した。

 公演は午後6時半から、阪大豊中キャンパス80周年記念広場(雨天時は大阪大学会館アセンブリー・ホール)。入場無料。問い合わせは浄るりシアター(072・734・3241)。(柳谷政人)