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 152チームの頂点に、今年も花咲徳栄が立った。埼玉県営大宮球場で28日あった決勝で山村学園を11―2で破って7回目の優勝を果たし、5連覇を成し遂げた。初めて決勝に進んだ山村学園はエースが完投したが、相手の強力打線が上回った。花咲徳栄は8月6日から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する全国選手権に出場する。組み合わせ抽選は同3日に行われる。

横手投げ結実 最高の表情 中津原隼太投手

 最後の打者を右飛に打ち取り5連覇を成し遂げた瞬間、背番号1は両手を大きく突き上げた。「やっと終わった」。もがき続けた花咲徳栄の中津原隼太投手(3年)が今大会初めて、感情を爆発させた。

 春の県大会直前に腰を痛めた。東農大三との準々決勝では不安を抱えた状態で後半から登板し、5―7で敗れた。

 その日のうちに、岩井隆監督から横手投げを提案された。「正直、抵抗はあった。でも、何かを変えないと勝てない」。野球を始めた小5から投手一筋。上手投げだったが、チームが勝つために、覚悟を決めた。

 7月初旬には約100メートルの遠投を繰り返し、腕を思い切り振る感覚を養った。結果はついてきた。3回戦で無安打無得点。それでも「結果的にそうなっただけ。点を取られない試合をもっとできればいい」。達成の瞬間も淡々としていた。

 この日、八回の攻守交代時に岩井監督に、心をくすぐられた。「相手のエースもずっと投げている。うちの1番を譲るな」。相手が降りるまで、降りてはいけない。この言葉で、体力的にきつくなる終盤、ギアが上がった。九回2死で追い込んでからファウルで粘られても、平常心を保てた。

 「5連覇が絶対の目標だった」という中津原君。大会を通じて表情を崩さなかったのは「優勝してマウンドに集まるまで、最高の表情を出したくなかった」からだ。春の敗戦以降、投手力が課題だと言われ、悔しさもあった。「この時のために練習をしてきたんだなと思う。あの時苦しんだから、今があるのかなと」。もう一度、日本一を取りに行く。(高絢実)