高知1年生エース森木、流れかえられず「次は甲子園へ」
湯川うらら
(28日、高校野球高知大会 明徳義塾4―1高知)
「自分の甘さが出た試合だった」。高知の主戦森木大智(1年)は7四死球と乱れ、被安打6で3点を失った。三回から登板。「流れをかえてやろう」と闘志を燃やしたが、その気持ちとは裏腹に、制球が定まらなかった。
先頭打者の内野安打から犠打と四球で1死一、二塁。渾身(こんしん)の145キロの直球は4番の安田陸(3年)にはじき返され、今大会で初失点。その後も五回までに2点を失った。「昨日と同じように力を抜いて投げているつもりだった。でも、ボールが引っかかった」
大会初登板の準々決勝で148キロを記録した。準決勝では昨夏王者の高知商の強力打線を無失点で封じた。認めたくはなかったが、準決勝の疲れが抜けていなかった。
下半身が安定せず、苦しい投球が続いた。だが「気持ち」で投げた。背番号1の意地があった。六回表、この試合初めて三振を奪うと「ウォー」とほえた。その裏には、高校の公式戦初の本塁打を放ち、1点を返して意地を見せた。
六回からは無失点に抑えたが、中盤までの失点が響き、敗れた。森木は「3年生と一緒に甲子園に行きたかった」と涙を流したが、「自分の足りないところを突かれた。レベルアップして、次は甲子園に行く」と前を見据えた。(湯川うらら)