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 太平洋戦争で日米が激しく戦った南太平洋のガダルカナル島。この地の波打ち際に、77年間、民間の輸送船が打ち上げられたままになっていた。旧日本軍に徴用された「鬼怒川丸」。海水によって朽ち、赤茶色のさびた船橋に、白い波しぶきが上がっている。

 1942年、かの有名な「ガダルカナルの戦い」のさなか、消耗していた旧日本陸軍への増援部隊や食料、弾薬を送るため、軍により強行輸送船団が結成された。これに鬼怒川丸も加わった。夜明け前に砂浜へ突っ込んだが、米軍の激しい空爆を受けて炎上し、7000トン近い船体は果てた。砂浜から20~30メートルのところに残しているその姿は、太平洋戦争の趨勢(すうせい)をかけた米国と日本の戦いの象徴をいまに伝えている。

 その島を、5月下旬に訪れた。鬼怒川丸だけでなく、島の近くには悲劇の最期を遂げた少なくとも13隻の民間輸送船が青い海に沈んでいるとされる。さらに島の草むらには、旧日本軍の大砲や手投げ弾、兵隊の鉄帽、また米軍のグラマン戦闘機などが、いまも残っている。

 時は移ろい、この島における米国の「敵」は、日本から中国に変わっていた。もちろん、実際に戦いが起きているわけではない。しかし、そこはまさしく米中の覇権争いの最前線になっていた。

 争いの理由は、台湾だった。

 ガダルカナル島を含む主要6島と、1000ほどの島からなるソロモン諸島は、周辺の島国が中国との結びつきを強めるなか、いまも台湾と国交を維持している。太平洋諸国で台湾と外交関係がある6カ国のうち、最も人口が多いこの国に、外交関係のない中国の大波が押し寄せていたのだ。

5000人対40人

 首都ホニアラの国際空港から市内に向かうと、青や黄色の壁の雑貨店が道の両側に見えてきた。市中心部にさしかかると、その数は数十にもなった。メラネシア系の地元住民でにぎわうが、店のレジには決まって中国人が座っている。

 「この辺りの店は、ほぼすべて…

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