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 ひきこもり状態の人の高年齢化と長期化が懸念されています。平成の約30年間の大半をひきこもり状態で過ごした青森県弘前(ひろさき)市の男性(52)が、朝日新聞の取材に応じて思いを語ってくれました。幼少からのいじめ体験、その後のパニック発作と対人恐怖……。男性が次第に外出ができなくなっていったのは、時代が昭和から平成に代わったころです。そんな男性にとって、さらなるストレスに感じられた存在がありました。

 《連載「扉の向こうで」の中で、男性の告白を3回構成でお伝えしています》

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写真・図版

 男性は当時、昭和初め生まれの父と母、3歳上の姉と暮らしていた。6歳上の兄は家庭を築き、仕事で西日本にいた。

 2階建ての一軒家。男性の部屋は2階にあった。夜、階段を上ってくる足音が聞こえる。

 父だ――。

 県内で土木建設に関わる会社を営み、地元の名峰・岩木山(いわきさん)(標高1625メートル)の観光有料道路「津軽岩木スカイライン」の工事に携わったことを誇りにしていた。

 「毎晩のように酔っ払って帰宅した父に、『働け。お前は怠けているだけだ』『誰のおかげでメシが食えてるんだ』と責められました。『人が怖い。体が言うことをきかない』と訴えても、聞く耳を持ってくれませんでした」

 外見上は健康に見えたのだろう。当時は「ひきこもり」が今ほど理解されていなかった。

 「父と怒鳴り合いになり、近所に警察を呼ばれたこともありました。親子間の殺傷事件をニュースで知るたび、うちもいつこうなるかわからないなって思ってしまうほど、ギリギリの状況でした」

 父と顔を合わせたくないため、…

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