第3回ひきこもり30年の扉を開けた日 居場所記す紙握りしめ

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 20代でひきこもり状態になった青森県弘前(ひろさき)市の男性(52)は、30代、40代を孤独と焦燥の中で過ごしました。朝日新聞の取材に、その当時の思いを赤裸々に語ってくれました。男性はその後、40代後半で家族の危機に直面します。そうして、ある決意を固めます。

 《連載「扉の向こうで」の中で、男性の告白を3回構成でお伝えしています》

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写真・図版

 2017年12月。男性が自宅で新聞を開くと、小さな記事が目にとまった。ひきこもり状態の人の家族会「青森さくらの会」(青森市)が約2週間後に開く対話交流会の案内だった。

 会の存在は知っていた。3年前の会の結成時の新聞記事を自宅で読み、切り抜いていたからだ。当時、「このままではダメだ」と参加を思い立ったが、どうしても勇気が出なかった。「今度こそ行ってみよう」と誓った。

 1人で電車に乗るのは、20歳前後に首都圏で暮らして以来。JR弘前駅の券売機が電子化されていたことに驚き、切符を買うのに手間取った。奥羽(おうう)線に揺られ、約1時間。会場のJR青森駅近くのビルの会議室に着いた。ドアの前で立ちすくんだ。

 「どんな人たちがいるんだろう、受け入れてもらえなかったらどうしよう、嫌な思いをするんじゃないかって不安で不安で。まさに、清水(きよみず)の舞台から飛び降りるような覚悟でドアを開けました」

 足を踏み入れると、10人ほ…

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扉の向こうで

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