[PR]

 立命館宇治の劇的なサヨナラ勝ちで幕を閉じた京都大会。数々の名勝負や好プレーがあり、高校野球ファンをうならせた。立命館宇治の夏の甲子園は37年ぶり3回目。現校名になって初の甲子園勝利に向け、30日から練習を再開する。

 立命館宇治は6試合で63安打、45得点。2試合はコールド勝ちだった。スタミナに自信をもつ左腕エース高木要君はうち5試合に登板し、すべて1人で投げきった。勝ち進むごとに成長し、勝負強さを増した。

 最初の山場は、春の選抜大会に出た福知山成美との準々決勝だった。安打14、被安打18の打ち合いを10―9で制した。大会屈指の好投手である小橋翔大(しょうだい)君を終盤につかまえた。高木君が150球、小橋君が122球の投げ合いだった。

 準決勝では、3季連続の甲子園をめざす選抜8強の龍谷大平安とぶつかった。前回決勝では0―11で大敗した相手。先発選手には昨夏の経験者が多く、その悔しさをはらした。三回に逆転し、終盤で突き放した。選抜で好投した相手エースの野沢秀伍(しゅうご)君と高木君が投げ合い、高木君は被安打5の粘投。打線は野沢君から12安打を放った。

 決勝は春の府大会で優勝した京都国際と対戦。序盤に2点を先取されたが、八回に追いついた。九回2死から主軸で唯一の3年、上田龍一郎君が左越えのサヨナラ安打を放ち、先輩の意地をみせた。高木君は163球を投げ、四回以降は安打を許さなかった。

 1994年に前身の宇治から現校名に変更。それ以降、京都大会決勝に6回進んで全敗。7回目の挑戦でようやく頂点に立った。

本塁打・好守備多く

 今大会は30本塁打が飛び交い、昨年の19本を大きく上回った。チーム最多は京都国際の5本。うち3本は2番打者の中村泰河君によるもので、今大会の最多を記録した。2回戦で中村君を含め3本を放った。

 春の選抜大会に出場し、今大会8強の福知山成美の原陽太(ひなた)君は、2回戦で2本を打った。龍谷大平安は3回戦で3本を放ち、2年の奥村真大(まさひろ)君の左越えは今大会唯一の満塁弾だった。

 3球場で2、3回戦9試合があった14日は、今大会中で突出して多い8本が飛び出した。

 守備では好プレーが相次いだ。プロ注目の遊撃手の京都国際の上野響平君は、守備範囲の広さと捕球してからのすばやい送球が持ち味。決勝でも何度も堅守でスタンドをわかせた。二塁手の2年の森下結翔(ゆうと)君とのコンビは「大会屈指の二遊間」だった。

 決勝の初回にみせたのは、立命館宇治の左翼手で2年の宮下力君。左翼線への鋭い当たりをダイビングキャッチし、京都国際の追加点を防いだ。

 足と小技で輝いたチームもある。龍谷大平安は4回戦で9盗塁。なかでも中嶋駿君は二盗3回、三盗1回を決めた。ノーシードから4強入りした京都共栄は5試合で27犠打を決めた。

 3回戦の山城―京都両洋は、今大会唯一のタイブレーク。延長十三回裏、京都両洋がサヨナラ勝ちし、3時間12分の熱戦を制した。

 公立では塔南と峰山が8強入りした。

雨で中止相次ぐ

 大会中に京都市で35度を超える猛暑日となったのは24、25日のみ。13日連続の猛暑日となった前回と比べ、プレーしやすい環境だった。

 その一方、雨や台風の接近により、19日(4回戦)、22日(準々決勝)、27日(決勝)はすべての試合が中止に。1日ずれて準々決勝を実施した23日も第3、4試合が中止。残る2試合はさらに1日ずれた。9、11日も一部の試合が中止になった。

 優勝した立命館宇治も準々決勝と決勝が中止となり、翌日の試合に向けて調整し直した。2年の浅野彰久(あきひさ)捕手は「中止になった日もふだん通りの練習を心がけて、調子を落とさないようにした。雨で時間ができたとチャンスに考えるようにした」と振り返った。

 立命館宇治の選手は29日、体を休めた。散髪して気持ちを新たにした。