[PR]

 大津市の滋賀県道交差点で5月8日、右折車と直進車が衝突し、巻き添えで保育園児ら16人が死傷した事故からまもなく3カ月になる。7月17日に大津地裁で右折車の運転者の初公判が開かれたが、被害者家族の日程調整が難しいことなどで、裁判は長引きそうだ。

 そうした中、被害者参加制度で裁判を傍聴した土井鈴菜ちゃん(3)の母親(36)が傍聴を決めた理由や社会への思いを、弁護士を通して朝日新聞に文書で寄せた。

鈴菜ちゃんの様子

 8週間が経った頃にギプスが外れました。

 本人はやっと自由になれたことがうれしくて、立ったり、足を動かしたりしてリハビリを繰り返しています。けなげに頑張っていますが、筋肉はやせ、足を引きずって歩いています。元の状態に戻るのはどのくらいかかるのか分からない状態です。

 自宅に帰ったとき、外にいるとき、以前とは違い私にまとわりつくようになり、「ママ!何してるの!どこ!」と叫んで探すようになりました。「車が来る」「怖い」などのワードが遊びの中に出てきます。

家族の現状

 私は現在も休職中です。娘の姿を見ていると、私も早く日常生活に戻らなくてはと焦っているところもあります。家の中に子どもがいれば少し安心して眠れるようになりましたが、泣き声を聞くと跳び起きるのが現状です。

裁判の傍聴を選択した理由、被告への思い

 最初から裁判には臨むつもりでいました。突然失われた命や、けがを負わされた子どもたちのことを考えると、この事故の真実を知りたい気持ち、裁判を最後まで自分の目で絶対に見届け、二度とこのような事故が起こって欲しくない思いがあるからです。

 何も言えない子どもたちに代わって、私たち親が戦うべきだと考えています。

 被告に対しては、自分が起こしたこの甚大な結果をしっかりと受け止め、反省すべきなのだということを理解してもらいたいです。

社会に訴えたいこと

 車の運転は依然として恐怖を感じています。何も見ずに、横断歩道でもない道を平然と渡ってきたり、脇道から反対方向ばかりを見て車が飛び出してきたり、事故現場の湖岸道路を猛スピードで走っている車も多いです。行政が、安全対策の見直しなどの取り組みを始めたとしても、やはりドライバーの意識改革がなされなければ、何も変わらないと改めて思いました。(安藤仙一朗)