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 理化学研究所などの研究チームは、妊婦への超音波検査の際にAI(人工知能)を使い、胎児の心臓の異常を見つける技術を開発したと発表した。2~3年後の実用化をめざしているという。

 心室中隔欠損など先天的な心臓病は、全出生児の約1%に起きる。生命の危機となることもあり、胎児のうちに診断し、生まれた直後に治療を始めることが望ましい。しかし、超音波で画像診断ができるようになる妊娠20週の妊婦の胎児の心臓は1センチ四方ほどと小さく、動きは速い。胎児の背骨や肋骨(ろっこつ)が影になるなどし、撮影や診断は簡単ではない。一方、胎児の超音波診断ができる専門家は少ないという。

 チームは、昭和大病院産婦人科で、妊婦健診の際に専門医らが撮影した画像2千枚をAIに学習させ、胎児の心臓異常を検知。さらに約3万7千枚の画像を学習させるなどし、診断の精度を落としてしまう骨がつくる影を自動検出できる手法を開発した。

 この手法はがん検診など様々な超音波検査に応用できるという。理化学研究所の小松正明研究員は「影が多く含まれると再度、超音波の検査をするよう指示する仕組みを作り、専門医がいなくても異常を見つけられるようにしたい」と話している。(月舘彩子)